ASP.NET MVC実践プログラミング―.NET Frameworkによる標準Web開発技法 書評

ASP.NET MVCを勉強し始めて、最初に気がつくことが、
MVC関連の技術書(和書)の少なさと、
体系立って説明されたWebがないことだと思われます。

そこで登場するのが、
この本なのですが、いかんせんMVC1を対象としているため、
現在では使えなくなっている部分が多いです。

例えば、
この本ではレンダリングエンジンがaspxを使用しているが、
最近ではRazorエンジンを使用することが多い。

Ajaxについても、
昔は「MicrosoftAjax.js」、「MicrosoftMvcAjax.js」などで提供されていたようだが、
MVC4となってからは、knockoutやjQueryに取って代わられている。

最新のフレームワークのバージョンがMVC4、MVC5が殆ど公開待ちというような状況で、
この本一冊読んで、MVCのアプリケーションが作れるかというと、
フレームワークを使いこなしたプログラミングをする)という観点では、
かなり厳しいかなというのが正直なところです。

とは言え、
基本的なフレームワークアーキテクチャ部分については、
それほど(現時点で)大きな変更もまだないので、
参考に出来る部分は多いと思います。
私の場合は、Webフォームからの移行組なので、
ルーティングの部分がイマイチ理解できなかったのですが、
この本を読んだことで一定の理解を得ることが出来ました。

ASP.NET MVCを最初に勉強する和書、
かつ、割りと時間のある方にならオススメできる本。
ただし、この1冊だけではダメで、最近のフレームワークを使用するなら、
ネットなり他の書籍なりで補完してやる必要があります。

時間がない方は洋書ならば、
オライリーなどMVC関連の書籍が多く出ているため、
そちらを読んだほうが時間を短縮できるはず。(読めるなら)