コードコンプリート書評

2013年の今から見ると、内容が流石に古くなってしまっている。
本書のテーマとして、
「ソフトウェアコンストラクション」と「品質の良いコード」という2つのテーマが掲げられているが、「品質の良いコード」部分はともかく、「ソフトウェアコンストラクション」面では、
大規模なウォーターフォール、豊富なドキュメント、擬似コードを書いてからコードを書くなど、
最近のアジャイルな開発手法とは咬み合わない部分も出てきている。

よって、今あなたが働いている職場が、
ゴリゴリのアジャイルや、
時代の最先端を走っているWeb系の会社であるような場合は、
「ソフトウェアコンストラクション」に書かれていることは、
古典を習っている意味に等しいのかもしれない。

また、
あなたのプロジェクトが、
3人月を3人で1月とか、
小さいプロジェクトに従事している場合も同じように古典となる可能性が高い。
アジャイルなプラクティスを導入したほうが良い)

ただし、
あなたが働いている職場が、
いわゆるSIerに代表されるような所で、
プロジェクトの進め方といえばウォーターフォールで、
200人月のプロジェクトを10人で20ヶ月で進めている。
ようなやり方をしている職場ならば、
リーダブルコードの「ソフトウェアコンストラクション」の章は、
役に立つ部分が多いはず。

また、「品質の良いコード」部分についても、
最近出た「リーダブルコード」と内容が重複している部分が多いので、
リーダブルコードを読んだ後だと、「おっ。これは…!」と思う部分が少ない。
※当たり前だけど「コードコンプリート」が被っているのではなく、
「リーダブルコード」が被っている。

リーダブルコードは読みやすいコードを書くための本で、
コードコンプリートは品質の良いコードを書くための本なので、
「防御的プログラミング」など、リーダブルコードでは網羅されていない部分も、
あるにはあるのだけれど、
コードコンプリートという技術書に興味を持ち、
こんなマイナーなブログの記事まで見て頂いてるあなたのような、
割りと勉強していると思われる人から見ると、
「それって当然だよね」という感じで、あまり新しい発見がないかな、
と言ったところ。

まとめ

新卒のルーキーや、2〜3年目ぐらいまでの方は必読。

4〜年目ぐらいの方だとリーダブルコードを読んでいるならば、
あまり得るものはないかもしれない。

しかも上下巻合わせて1万円以上、1000p超なので、
バキバキのウォーターフォールでやっている人でも無ければ、
少し厳しいかなと言ったところ。

読むか読まないかであれば、読んだほうが良いに決まっているんだけどね。